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-植物鉄栄養研究会-


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干しひじき鉄分、実は少ない? 製法で変化、成分表改訂

Date: 2015-12-25 (Fri)

干しひじき鉄分、実は少ない? 製法で変化、成分表改訂

朝日新聞デジタル 12月25日(金)5時3分配信

 食品成分に関する国内唯一の公的データである日本食品標準成分表の改訂版を、文部科学省が25日に公表する。一部食品を再分析したところ、貧血防止によく食べられる干しひじきに含まれる鉄分が、最近主流の製法では従来製法よりも10分の1近くと大幅に少ないことがわかった。

 干しひじきは、加工業者が原料の海藻を煮沸して渋みを取り、乾燥したものが売られている。1982年版の成分表以来、含まれる鉄分は100グラム当たり55ミリグラムとされてきた。ただ、煮沸する際に使う釜が鉄製よりもステンレス製が主流になってきていることから、専門家から製法によって成分が異なる可能性があると指摘されていた。

 今回の改訂に向けて再分析したところ、鉄釜だと100グラム当たり58・2ミリグラムの鉄分を含むが、ステンレス釜だと6・2ミリグラムだった。カルシウムなどほかのミネラル成分は変わらず、豊富に含まれていた。改訂版では、製法別に成分を明記するが、製品には製法まで表示されるとは限らない。文科省の担当者は「結果に非常に驚いた。要望が高まれば、製法が表示されるようになるのではないか」と話す。

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これは驚きの結果である。
今後、加工食品に関しては、製法の違いによる成分変化が顕著な場合は、加工法を銘記する必要が出てきた。
 
小生は、ひじきの鉄成分が食品中ダントツであることから、ひじきパンを、卒業生が就職している某パンメーカーに提案したことがある。阪神淡路大震災や2011年3月11日の東日本大震災で、避難生活で住民が鉄欠乏性貧血で様々な疾病に悩まされはじめていたからである。調理しなくても良い「鉄入りのパン」が望ましく、それには水分を含んだ味付けの「ヒジキ」入りあんパンやサンドイッチがいち番いいのではないかだと思ったからである。残念ながらこのメーカーは「ヒジキパン」を実現してくれなかったが。
 
 今回のマスコミ発表の結果からは、調理師や栄養士が料理の総鉄成分量のを計算するときに、大きな比重を占めるヒジキの前歴を十分頭の中にいれて計算しなければならないことを意味している。
   
又、鉄釜で煮る他の海産物に関しては、ステンレス釜との比較検討を早急にやる必要があると思われる。今後は食品分析屋さんも、店頭で入手する種種のメーカーの加工食品のデーターが大きくばらついたときに、その加工工程に思いを馳せてみることが必要だ。

(森敏)