WINEP

-植物鉄栄養研究会-


NPO法人
19生都営法特第463号
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再論:クチナシのクロロシス

Date: 2017-03-15 (Wed)

以下の写真は通勤経路の道路の花壇のクチナシ10株ほどの4株である。激しいクロロシスを示している。

関東ではクチナシは3月ごろ新芽が出始めると容易にクロロシスになるようである。低温のために根から新葉への鉄の転流が阻害されて、新芽の展開に鉄の供給が追い付けないために葉が激甚なクロロシスになって葉が寸詰まりになっている株もある(左上)。なぜかこういう黄色い葉は組織がやわなためか虫に食われやすいようである(右下の写真の最新葉)。
 
これらの株も暖かくなると自然にクロロシスが治癒して、正常な緑色のてかてかした葉をした株になる場合が多い。
 
しかし、開花期になって花が咲いても激しいクロロシスが続く場合がある。http://www.winep.jp/news/77.html

これらは、土壌に石灰をやりすぎて土壌PHが上がりすぎて、鉄が不溶態になってクチナシの根の表面にある三価鉄還元酵素が三価鉄を二価鉄に還元できず、二価鉄イオンがないために、この吸収トランスポーターが有効に働けないからであると考えられる。

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