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-植物鉄栄養研究会-


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憂慮すべき女子駅伝に蔓延する、鉄剤ドーピング

Date: 2018-12-11 (Tue)

高校駅伝で血液検査提出要求へ=鉄剤注射の不適切使用疑い−日本陸連
2018年12月09日17時53分

 日本陸連は9日、一部の高校駅伝強豪校で貧血治療用の鉄剤注射が競技力向上の目的で使用されている疑いがあるとして、2019年の全国高校駅伝から出場選手には事前に血液検査の結果を提出するよう求める方針を明らかにした。尾県貢専務理事は「事実であればアスリートを取り巻く環境は危機的な状況。使用状況の把握に努め、速やかに具体的な対策を講じたい」との談話を出した。
 鉄剤を過剰に摂取すると肝臓などの内臓に悪影響をもたらすため、日本陸連は注意を呼び掛けてきた。今月23日に行われる18年の全国高校駅伝でも、改めて警告する。(2018/12/09-17:53)


鉄剤注射を悔やむ女子選手「高校時代は無知」
12/9(日) 15:22読売新聞

安易な鉄剤注射をやめるよう警告する陸連のパンフレット
 高校駅伝強豪校の一部で、選手生命を奪いかねない鉄剤注射が不適切に使われていた。日本陸上競技連盟が2016年4月、鉄剤注射を使わないよう警告を出す前に卒業した女子選手2人が、取材に対し、高校時代の使用実態を証言した。2人とも指導者の指示で注射を続け、高校時代は好成績を上げたが、卒業後は記録が伸びず、注射を繰り返した過去を悔やんでいる。

 「監督に『今から行くぞ』と言われ、打っていました」。東日本の高校を卒業し、大学で競技を続ける女子選手は高校時代をそう振り返った。監督に連れられ、地元の医院で多い月は3回、大会1週間前は駅伝メンバー5人全員で打った。監督は「ビタミンが混ざっているから大丈夫」と言っていた。

 全国高校駅伝では個人、チームとも上位に入った。成長を続ければ国内トップクラスに手が届くはずだった。

 大学陸上部で血液を調べると、1人だけ桁違いの鉄分過剰を示す数値が出た。監督は「何か体に入れていただろう」と驚いた。体内の鉄分貯蔵量の指標となるたんぱく質「血清フェリチン」の1ミリ・リットル当たりの濃度が正常値(25〜250ナノ・グラム)を大幅に超えていた。

 高校時代から異変を感じていた。過剰摂取が原因とみられる内臓機能の低下を起こし、ジョギングすらきつい時が何度もあった。「高校時代は無知だった。注射を打てば記録は伸びるかもしれないが、あの頃には戻りたくない」


高校駅伝で使用か 日本陸連が鉄剤注射の対策強化 
12/10(月) 12:39産経新聞

 日本陸上競技連盟は9日、高校駅伝の一部の強豪校が持久力などの向上を目的に貧血治療用の鉄剤注射を使用している可能性があるとして、対策強化に乗り出すことを明らかにした。

 陸連では平成28年に「アスリートの貧血対処7カ条」を発表。鉄剤はドーピングの禁止薬物に指定されていないが、過剰摂取によって肝臓や心臓、甲状腺などの機能障害を起こす可能性があるとして安易な鉄剤注射について自粛を要請している。過去に持久力を高めることを期待して使用されたケースがあったことから、周知徹底を図ってきた。

 今年に入って、高校駅伝の一部の強豪校で使用されているという情報が寄せられたという。日本陸連の尾県貢(おがた・みつぎ)専務理事は「鉄剤注射の使用状況を憂慮している」と述べたうえで、「使用状況の把握に努めるとともに、速やかに具体的な対策を講じたい」との考えを示した。23日に京都市で開催する「全国高校駅伝競走大会」でも使用について再度警告し、来年の大会からは出場選手の血液検査結果の提出を義務づけることなどを検討する。

 
鉄剤注射問題、やせすぎ防止へ…陸連「危機的」

 高校駅伝の一部強豪校で貧血治療用の鉄剤注射が、日本陸上競技連盟の警告後も使われていた問題で、陸連が来年12月の全国高校駅伝大会から、選手の血液検査結果の報告だけでなく、身長、体重の報告の義務化も検討していることがわかった。陸連は、減量のため過度な食事制限を強いられる選手が多いことも鉄剤注射使用の背景にあるとみている。陸連は9日、「アスリートを取り巻く環境は危機的」とするコメントを出し、選手の健康管理を主導する方針を示した。
 陸上関係者によると、長距離種目は「やせている方が有利」とされ、選手の食事量を過度に制限する指導者も少なくないという。陸連は、日常の食事で十分な鉄分を摂取できないことも、鉄剤注射が安易に使われる背景にあるとみている。選手の血液検査結果に加え、身長、体重も報告してもらうことで、鉄剤注射の使用抑止と、選手の健康管理につなげたい考えだ。
12/10 17:25


鉄剤注射「ドーピングに似た行為、残念」スポ庁

 高校駅伝の一部強豪校で鉄剤注射を不適切に使用していたことが明らかになり、スポーツ庁の担当者は10日、「残念の一言」と落胆の声を上げた。日本陸上競技連盟が来年12月の全国高校駅伝大会から、選手に血液検査結果の報告を義務付ける方針を示したことについて、陸上関係者から、おおむね賛同の声が上がった。
 スポーツ庁でドーピングを管轄する国際課の担当者は、鉄剤注射の使用について、「ドーピングに似た行為で残念の一言」と話した。以前から陸連が警告していたことについて、「ほとんどの学校は使っていないはず。使った学校があれば、フェアな試合にはならない可能性がある」と指摘した。
12/10 18:46


女子高校駅伝、一部強豪校が鉄剤注射…「体に悪い」警告後も

 日本陸上競技連盟が2016年4月から、「鉄分が内臓に蓄積し体に悪影響がある」として使わないよう警告している貧血治療用の鉄剤注射を、高校駅伝の一部強豪校が警告後も使っていたことが関係者への取材でわかった。これらの高校は使用をやめたというが、陸連は他でも使われている可能性があるとして、陸連主催の全国高校駅伝大会(23日)で改めて警告し、来年の同大会からは出場選手に血液検査結果の報告を義務付ける方針だ。
 鉄剤注射は本来、鉄分不足による重度の貧血治療用だが、陸上関係者によると、持久力が高まるため、貧血になりやすい女子長距離選手を中心に2000年頃から全国に広まった。陸連は15年、鉄分過剰で肝機能障害などを起こした事例を把握し、16年4月に警告した。
 取材では、16年12月の全国高校駅伝に出場した東日本の高校の選手と担当医が「女子5人全員が鉄剤の注射や点滴を打った」と証言。9月頃から毎週のように監督に病院に連れて行かれ、行うべき血液検査をせずに打つことも多かったという。

鉄剤注射、中学生も調査へ…「低年齢化」の情報
12/11(火) 6:14読売新聞

 高校駅伝の一部強豪校で貧血治療用の鉄剤注射が不適切に使われていた問題で、日本陸上競技連盟(陸連)は来週中にも、高校に加え中学、大学、社会人の競技団体に使用実態の調査を依頼することを決めた。

 鉄剤注射は、持久力を高める効果があるとされるが、体内に過剰な鉄分が蓄積され、肝機能障害などを引き起こす恐れがある。陸連は、来年12月の全国高校駅伝大会から、選手の血液検査結果の報告を義務付けるほか、身長、体重を報告させることも検討中だ。

 これに加え、日本中学校体育連盟、全国高等学校体育連盟、日本学生陸上競技連合、日本実業団陸上競技連合の4団体と対策を協議していく。

 陸連は、中高生時代に好記録を残しても、伸び悩んでしまう選手がいる背景には、鉄剤注射の使用があるとみており、若手選手の健康管理を総合的に推進する必要があると判断した。

 陸連にも全国から「鉄剤注射の使用が低年齢化している」との情報が寄せられていることから、調査対象を中学生にまで広げたい考えだ。読売新聞の取材でも、高校で鉄剤注射を打っていたという大学生の女子選手が、「中学で打ち始めた」と証言した。
最終更新:12/11(火) 8:55