WINEP

-植物鉄栄養研究会-


NPO法人
19生都営法特第463号
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初めての On-line学会 経験

Date: 2020-10-07 (Wed)

中共コロナウイルスのせいで、今年はほとんどの学会がOn-line学会ということになっている様子だ。一年かけて倉敷での現地開催を準備されてきた日本土壌肥料学会とて同様の試技に追い込まれた。



とても開催当日の自宅からの機器の操作に自信がなかったので、迷惑をかける老害トラブルを避けて、この学会には毎年発表してきたのだが、今回は断念して、参加だけにすることにした。参加費7000円を支払った。そうしないと、ネット上の講演要旨が開けないし、当日のOn-line講演会にも参加できないということなので。



「LINC Biz」 と 「zoom」 のソフトを使うというのだが、直前までくる学会事務局からのメール情報をいくら読んでも、操作マニュアルが細部まで理解できなかった。なので結局、全3日間の会期中に4回もソフトを仕切っている学会事務局のソフト会社に電話して教えを乞う羽目になった。丁寧に対応していただいてとても感謝している。他の現役の連中はやすやすと理解できたのだろうが。



岡山大学の馬建鋒大会運営委員長は最終日の総括で「初めてのことでしたので、何が起こるか心配でしたが、幸いこれといったトラブルがなくて、胸をなでおろしました」と述べていた。他人事ながらずいぶん気疲れしただろうと大いに同情し、小生も胸をなでおろした。



当初は、On-line 講演会というので講演者は全員が次々と登場して音声発表をパワーポイントを使って発表するのだろうか? そんなことしていたら、毎年500題近くの講演課題がとても3日間では終わらないだろう、と思っていた。ところが、さにあらず。シンポジウムの4セッションだけがzoomでの音声と画像入りの本人発表で、そのほかの個別の演題は画面上にjpeg画像を一人当たり数枚あらかじめ登録しておき、それが開催1-2日前から最終日の翌日の午後4時半まで、コンピューターでアクセスすれば見られるようになっていた。この方法の最大のみそ(利点)は、各講演演題画像のすぐ後に、質疑応答の書き込み欄があったことである。

 

参加者が、あらかじめ講演要旨を読んで、jpeg画像の研究内容を詳細に見て、質問を書き込む作業は、けっこう楽しかった。小生は全部で20問ばかり質問を書き込んだだろうか。議論に勝手に割り込んで、茶々を入れたりもした。



全部(467題!)の演題をチェックしたわけではないが、全体的にけっこう実際の会場にいるときの質疑応答よりは子細な活発な議論が展開されているような気がした。この質疑応答によって、著者たちが論文を仕上げるときに、議論(discussion)の部分が brush up されるものと思われる。



On-lineでの参加者は636名だったということである。普段の学会よりは20-3O%少なかったのではないだろうか。若手が議論にあまり参加していないように感じられた。顔や声で自己主張する機会を奪うOn-line学会は、若手にとって魅力が薄いのではないかと思われた。中共コロナではないが、学会では情報がヒトとヒトが接触感染してこそ、学問の向上が図れるのである。



今回の学会が倉敷で実際開催されていれば、ホテルや懇親会代や観光店舗に学会参加者から落ちるお金は3泊4日分で約6000千万円にはなっただろうと思われる。倉敷市にとっては結構な「中共コロナ打撃」だったことになる。余計な心配かもしれないが。 
 
(森敏)
  
付記:以下継続開催中です。ぜひお寄り下さい。

・ https://www.youtube.com/channel/UCoxOKSbRGkZSNR7no2-7U9g

・ https://www.ritsumeikan-wp-museum.jp/special/20200919-2/