WINEP

-植物鉄栄養研究会-


NPO法人
19生都営法特第463号
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さらばホーエンハイム大学

Date: 2022-09-19 (Mon)


ドイツのシュツツガルト近郊のホーエンハイム大学に滞在していた時に、大学の生協でT−シャツを買った。夏の暑い日だったので、当時の小生の体形に対しても大きめのを買ったのだった。

それをもう30年間、毎夏着こなしてきた。良質の木綿の素材で、ぶかぶかで風通しが良かったのである。

しかし小生の上半身の骨格が縮まり、重いものを持たなくなって、肩の筋肉がげそげそに落ちてきて、鏡で見た目にもだぶだぶになってきた。シャツの首の穴が広がりすぎて首筋が鶏ガラのように丸見えで、とてもこれでは外を歩けない。

というわけで、ついにこの懐かしのT―シャツを処分することにした。記念に胸元の大学のシンボルマークの写真を撮っておいたのがこれである。

Prof. Horst Marschnerが所長であったこの大学の「植物栄養学研究所」には、世界の植物栄養学研究者が次々と留学や共同研究で滞在して、ここが世界の植物栄養学のメッカになっていた。マーシュナーの人格に触発されて、多くの人材が育っていったのである。

マーシュナーが単独で著した「Plant Nutrition of Plants」(Academic Press)は、執筆者が変わって現在第4版の購入予約を受け付け中とのことである。小生も先日予約した。内容がどのように改訂されているか少し楽しみではある。

小生が第1回目にこの大学に滞在したときにマーシュナーは、誰もいない早朝5時に出勤して、教授室でこの本を執筆していた。小生はこの建物の屋根裏部屋で寝起きしていたので明け方に階下のトイレに行くときによく彼に出会ったのである。

優れた人物はヒトの知らないところで継続して努力をしているのだと、あらためて納得させられたのだった。

その後のこの研究所の様子は全く聞こえてこない。

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