皇居の庭の竹の展示
皇居の庭の竹の展示
皇居の平川門 大手門 北詰橋門 は週の何曜日かは(忘れたが)開門して、庭を開放している。全部歩くだけでも結構な時間がかかる広さである。園の西の端に近いところにある、かの有名な「松の大廊下」の跡(といっても、いまの若い人は知らないかも知れない。のちの赤穂浪士の討ち入りの発端となった、浅野内匠頭が吉良上野介を刀で斬りつけた事件(1701年元禄14年)のあったところである)の付近の道路脇には竹の展示場がある。
約20種類の展示をしている。これまで植物園でもササや竹に関しては高知の牧野植物園の「スエコササ」ぐらいしか記憶にない。竹の展示はあまり見たことがなかったので、いったいいつの時代の誰がこんな企画をしたのか、痛く感心した。昭和天皇であろうか? たぶんその意志が働いているのだろう。それにしてもいったいどういうご意志で?
これまで小生は竹を水耕栽培しているところを見たことがない。時間がかかるのでそんな酔狂な人物はいないのだろう。しかし、竹はイネ科植物であるので鉄欠乏にすれば、ムギネ酸類を根から放出するはずである。根からの抽出物を濃縮して質量分析にかければ、現在ではたちどころにその化合物を決定することが出来るはずである。しかしこれまで誰もそれを同定したことがない。もしかしたら新しい構造のムギネ酸類が見つかるかも知れないのである。小生はそこに大いに興味を持っている。
参考までに以下の学名が各竹に表示されていた。インヨウチクPhyllostachys tranquillans、 カンザンチクPleioblastus hindsii、コンシマダケ P.bambusoides f.subvariegata、 シホウチク Tetragonocalamus angulatus、ラッキョウヤダケ Pseudosasa japonica cv. Tsutsumiana、ホウショウチク Bambusa multiplex form.variegata、スホウチク Bambusa multiplex form.alphonso ka-? ホウライチク Bambusa multiplex、オウゴンチク P.bambusoides f.holochr、ギンメイチク Phyllostachys bambusoides form. Castillonis-inversa、キンメイモウソウ P.heterocycla f.bicolor、キッコウチク Phyllostachys pubescens cv. Heterocycla。
興味があれば見にいってください。
(森敏)