ブルーベリーの激甚な鉄欠乏クロロシス
Date: 2008-09-18 (Thu)
ブルーベリーの激甚な鉄欠乏クロロシス
東京都の近郊農家でブルーベリーの激しい鉄欠乏クロロシスを観察した。
ブルーベリーは酸性土壌を好むので、前歴が石灰投与跡地土壌などに改植すると、激しい鉄欠乏を誘発する場合がある。
何故ブルーベリーがアルカリ性に弱いかというと、ブルーベリーの根の細胞膜表層にある3価鉄還元酵素活性が酸性に至適pHを有しているために、アルカリ側にpHが少しでも傾くだけで酵素活性が極端に低下するためだと解釈される。3価鉄イオンが根の表層で還元されて2価鉄イオンにならなければブルーベリーの根は鉄を吸収できないので、鉄を強く要求する新しい葉から黄色くなる鉄欠乏症(クロロシス)を呈するのである。
こういう場合でも、根の2価鉄イオントランスポーター活性は健在なので、2価鉄イオンを根に投与するか、葉面散布すると、クロロシスが回復すると考えられる。
現在日本の各地で、果樹園や水田がブルーベリー園に転換されているので、鉄欠乏が発生しやすい状態になっている。